正しい選び方!レンタルサーバー3社8プランを徹底比較した結果
自分のオリジナル・ブログを作りたいけど、たくさんある共用レンタルサーバーのサービスやプランから何を基準に選ぶべき?
これは初めてサーバーに申し込もうとする方の一番の悩みではないでしょうか。
そこでサーバー選びの材料になれば、と利用者の多い人気の高いレンタルサーバーの中からいくつかに絞り、負荷テストの検証した結果をここではご紹介していきます。
また初心者の方が読んでも分かるように解説しているので、安心してお読みいただけます。
1.検証する3社8サービス・プラン
今回、負荷テストの対象として選んだ共用レンタルサーバーは次の通りです。
No. | 会社名 | 共用レンタルサーバー | プラン | 月額費用 |
1 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | スタンダード | ¥429 |
2 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | プレミアム | ¥1,286 |
3 | エックスサーバー | エックスサーバー | X10 | ¥1,080 |
4 | エックスサーバー | wpXレンタルサーバー | - | ¥1,080 |
5 | エックスサーバー | X2 | スタンダード | ¥1,944 |
6 | GMOペパボ | ロリポップ | ライト | ¥270 |
7 | GMOペパボ | ロリポップ | スタンダード | ¥540 |
8 | GMOペパボ | ヘテムル | - | ¥1,620 |
※「月額費用」は1年契約時の税込み料金です
WordPressを使ったブログサイトで月間数十万アクセスを超えてもデータ転送量の上限が十分なサーバーに絞りました。
データ転送量とは、ユーザーがあなたの記事にアクセスした時、ちゃんとページが表示されるようにレンタルサーバー側で配信するデータの総量です。
特に初心者の方はデータ転送量の確認を見落としがちですが、各社共用サーバーで1日の上限値は決まっています。
この上限値を超えると強制的にサイトが表示されない、という事態に陥ることがあります。
ビジネスブログを運用している方にとって、これはかなりの機会損失になります(お客さんを失うことに繋がります)。
2.検証方法と環境について
ここでは「JMeter」という負荷テストツールを活用して検証を行いました。
各サーバーに WordPress をインストールして、次の通り同じブログサイト環境を構築。そして特定の1ページを対象に負荷テストを行いました。
- WordPress 4.5.2(テーマはTwenty Sixteen。2000文字程×5記事を公開)
- WordPressの「設定」などの項目は基本そのまま
- Wi-Fiを使用した同じインターネット環境
- 時間帯はお昼時を外してテストを行った
負荷テストは数回行い、その中で隔たりなく安定した結果を掲載しています。
あとwpXレンタルサーバーは初期設定でキャッシュ設定がONになっています。公平なテストにしたかったので、思わずOFFにしちゃいました。(後述する詳細結果にはON時の数値も掲載しています)
それではテスト結果をご覧ください。
3.結果
テストツールでは、同時アクセス数を1人→2人→4人→8人と倍に増やしていき、下表は最大8人時の平均応答時間の結果です。また表は応答時間の速い順に並び替えています。
順位 | 共用サーバー | プラン | 同時アクセス数 | リクエスト合計数 | 平均応答時間(ミリ秒) |
1 | エックスサーバー | X10 | 8 | 800 | 112 |
2 | wpXレンタルサーバー | - | 8 | 800 | 146 |
3 | ロリポップ | スタンダード | 8 | 800 | 309 |
4 | X2 | スタンダード | 8 | 800 | 336 |
5 | ヘテムル | - | 8 | 800 | 651 |
6 | ロリポップ | ライト | 8 | 800 | 701 |
7 | さくらのレンタルサーバ | プレミアム | 8 | 800 | 1,237 |
8 | さくらのレンタルサーバ | スタンダード | 8 | 800 | 1,588 |
ちなみに「リクエスト数」とは、一般的にサーバー上に存在するデータファイル(画像やHTML、CSSなど)の数を意味します。
今回は、負荷テストツールがサーバーにアクセスして、要求するファイル数をツール側で意図的に指定したとご理解ください。
その結果、エックスサーバー(プランX10)が一番速いことが分かりました。
続いて1秒間のリクエスト処理数の結果です。
順位 | 共用サーバー | プラン | 同時アクセス数 | リクエスト合計数 | 1秒間のリクエスト処理数 |
1 | エックスサーバー | X10 | 8 | 800 | 46.1 |
2 | wpXレンタルサーバー | - | 8 | 800 | 36.5 |
3 | ロリポップ | スタンダード | 8 | 800 | 20.5 |
4 | X2 | スタンダード | 8 | 800 | 18.5 |
5 | ヘテムル | - | 8 | 800 | 11.2 |
6 | ロリポップ | ライト | 8 | 800 | 10.4 |
7 | さくらのレンタルサーバ | プレミアム | 8 | 800 | 6.1 |
8 | さくらのレンタルサーバ | スタンダード | 8 | 800 | 4.8 |
1秒間の間にどれだけの処理能力があるかの結果ですが、処理数が一番多かったのはエックスサーバー(プランX10)でした。
結論として、この8サービス・プランの中ではエックスサーバー(プランX10)が一番優秀と言えます。
テスト結果の詳細をお知りになりたい方は下記記事をご覧ください。
4.鯖メシがお勧めのレンタルサーバー
ここで鯖メシがお勧めするレンタルサーバーは次の2つです。
- エックスサーバー(プランX10)
- ロリポップ(スタンダード)
さらに興味のある方は次の記事をお読みください。
「なぜ2位の wpXレンタルサーバー を外すの??」という疑問の声があがってくるかと思いますが、除外した理由は2つあります。
1つ目がWordPressのプラグインやテーマを使用すると不具合、またはうまく機能しない可能性があることです。
この要因として、WordPressのインストール先がドメイン直下ではないことが挙げられます。
私は画面が真っ白になるという不具合を経験したことがあります。結果的に直りましたが、多少のWeb知識がないと難しいです。
2つ目がプラグインやテーマの導入によって表示速度が遅くなる可能性があることです。
WordPressの記事を中心に書かれるブロガーの ぬふふ さんが実際にwpXを利用して遅くなる現象が発生しました。
そこでカスタマーセンターに問い合わせたところ、次の回答が返ってきたようです。
『WP Popular Posts』や『Similar Posts』のような
表示の都度にデータを参照し、ページを出力する必要があるような
プラグインが利用されていると、キャッシュプラグインは
正常に動作いたしません。参照記事:ぬふふ.com 「wpX使ったのに早くない」こんな時の高速化設定と愚痴と改善方法について。
いずれにしても操作や設定に少しでもハードルがある。これは特に初心者にはお勧めできない、と判断しました。
レンタルサーバー選びについて興味のある方はこちらも参考にしてください。
5.一年契約時の料金比較
最後に料金表を掲載いたします。お勧めサーバーは背景色を青にしています。
No. | 共用サーバー | プラン | 1年契約時の合計 | 初期費用 | 月額費用 |
1 | さくらのレンタルサーバー | スタンダード | ¥6,177 | ¥1,029 | ¥429 |
2 | さくらのレンタルサーバー | プレミアム | ¥16,461 | ¥1,029 | ¥1,286 |
3 | エックスサーバー | X10 | ¥16,200 | ¥3,240 | ¥1,080 |
4 | wpXレンタルサーバー | - | ¥18,360 | ¥5,400 | ¥1,080 |
5 | X2 | スタンダード | ¥29,808 | ¥6,480 | ¥1,944 |
6 | ロリポップ | ライト | ¥4,860 | ¥1,620 | ¥270 |
7 | ロリポップ | スタンダード | ¥8,100 | ¥1,620 | ¥540 |
8 | ヘテムル | - | ¥23,706 | ¥4,266 | ¥1,620 |
※「月額費用」は1年契約時の税込み料金です
個人的には最初からエックスサーバーX10を申し込むことをお勧めしますが、コストを安く始めるならロリポップ・スタンダードでしょうか。
ただし、アクセス数が増えてからお引っ越しする場合、Webのスキル・工数がかかることが最大のデメリットです。
また各サーバーの機能は次の通りです。
No. | 共用サーバー | プラン | データ転送量 | ディスク容量 | データベース | ドメイン登録数 |
1 | さくらのレンタルサーバ | スタンダード | 80GB/日 | 100GB | 20個 | 20件 |
2 | さくらのレンタルサーバ | プレミアム | 120GB/日 | 200GB | 50個 | 30件 |
3 | エックスサーバー | X10 | 50GB/日 | 200GB | 50個 | 無制限 |
4 | wpXレンタルサーバー | - | 50GB/日 | 30GB | 10個 | 10件 |
5 | X2 | スタンダード | 70GB/日 | 100GB | 無制限 | 無制限 |
6 | ロリポップ | ライト | 60GB/日 | 50GB | 1個 | 50件 |
7 | ロリポップ | スタンダード | 100GB/日 | 120GB | 30個 | 100件 |
8 | ヘテムル | - | 60GB/日 | 256GB | 100個 | 無制限 |
今時のレンタルサーバーは十分すぎるくらい機能が充実しています。
その中でも私は「データ転送量」だけ確認するべし、だと思っています。
また将来的に1つのブログサイトで数十万〜数百万アクセスを目指す方に複数のデータベースや独自ドメインの登録数は不要かと考えます。
言い方が悪いのですが、所詮は共用サーバーなので大勢とシェアしている状況です。劇的なアクセス数を抱えるブログを1つのアカウントで複数管理すべきではありません。
補足:共用レンタルサーバー対決!
その他にレンタルサーバー対決を題材にした記事を書きました。興味のあるタイトルがありましたら是非、ご一読ください。