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レンタルサーバー「データ転送量」の上限値は20GB/日以上が必須

Web初心者の方がレンタルサーバー選びで一番見落としがちなのが「データ転送量の上限値」です。

データ転送量は簡単に言うと、レンタルサーバーから配信されるデータのファイルサイズ総量を指します(図解で分かりやすく後述)

各共有レンタルサーバーは、このデータ転送量の上限値を決めており、もし超えることがあれば一時的にWebサイトの非表示が強制実行されます。

つまり、読者がWebサイトに訪れてきても「何も表示されない!」という事態に陥り、ビジネス案件やネット広告収益などの機会損失を招きます。

そのような最悪なケースを防ぐため、ここでは次の流れで分かりやすく解説していきます。

  1. データ転送量とは?
  2. データ転送量の上限値は20GB以上が必須
  3. 各レンタルサーバーのデータ転送量一覧
  4. データ転送量無制限の本当の意味

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1.データ転送量とは?

冒頭でも紹介しましたが、データ転送量とは、レンタルサーバーがPCやスマホ、タブレットなどの各デバイスにデータを送信した時のファイルサイズの総量です。

次の図をご覧ください。これは当サイトのある記事に6台のデバイスがアクセスした時のイメージです。

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※ 実際にPCのWebブラウザ「Firefox」を使って該当記事のダウンロード総量を計測しました

この1記事のファイルサイズは、およそ「8.6MB(メガバイト)」とします。6台のデバイスからアクセスされているので、この時のレンタルサーバーのデータ転送量の合計値は、

1記事8.6MB × 6台=51.6MB

となります。

さて、実際に各レンタルサーバーのデータ転送量の上限値を見てみましょう。人気の高いレンタルサーバーだけ集めて下表にまとめてみました。

No. 共用サーバー プラン 月額費用 データ転送量
1 ロリポップ ライト ¥270 60GB/日
2 ロリポップ スタンダード ¥540 100GB/日
3 さくらのレンタルサーバー スタンダード ¥429 80GB/日
4 さくらのレンタルサーバー プレミアム ¥1,286 120GB/日
5 エックスサーバー X10 ¥1,080 50GB/日

そうなんです。基本的にGB(ギガバイト)なんです。

1GB=約1000MBなので「これだけデータ転送量があるなら、特に上限値を気にしなくても良いのでは?」となりますよね。

しかし、 6人なら何てことないのですが、例えばこれが1000人ならどうでしょう。そして、この記事だけでなく合わせて10記事がこれくらいのアクセスがあるとすると、1日のデータ転送量の合計は、

1記事8.6MB × 10記事 × 1,000人=86GB

となります(記事のデータサイズは全て1記事8.6MBとします)。

またFacebookなどのソーシャルメディアで拡散して、アクセス数がその日で1万アクセス以上となることもあります。

データ転送量の上限値を超えてしまうと、他のレンタルサーバー利用者に迷惑がかからないよう、サーバー会社が強制的にサイトを非表示にする、などの処置を行うことがあります。

これはネット収益を大きく減らしたり、場合によってはお客様を失う程の機会損失をこうむって大きな被害を受けるかもしれません。

それではデータ転送量はどれくらいがベストなのでしょうか?

補足:実際にはデータ転送量は、ここまで大きくならない
1記事8.6MBというのは少し多目なサイズで、実際にはテキストと画像2〜3枚程度であれば2MB程でしょう。また各レンタルサーバーで搭載されている“キャッシュ”と呼ばれる機能によって、データ転送量は理論値より少なくなります。

2.データ転送量の上限値は20GB/日以上が必須

さて、ここでデータ転送量はどれくらいあれば十分なのでしょうか?

結論を申しますと、データ転送量の上限値は最低でも1日20GB以上は欲しいです。

この根拠は、私が在籍している会社の案件で、月間50万PVのクライアントサイトの1日のデータ転送量を調べた所、20GB程ありました。

もしかして「月間10万PV以上は難しい」と思っていませんか?いえ、頑張れば届くアクセス数です。

私ごとで恐れ入りますが、当サイトとは別に月間8万PVのブログサイトが報酬合計額6万8000円程を稼ぎました(詳しくは「レンタルサーバーで運営するならWordPressブログが最強な2つの理由」をお読みください)

またアフィリエイターで有名な 鈴木こあら さんもサイトの月間アクセス数について、次のように言及しています。

中には月間10万PV未満でも数十万円を得ている人もいます。

筆者(鈴木氏本人)にしてみても、月間20万PVほどのブログで50万円以上の収益を得ています。

引用:鈴木利典(鈴木こあら)著『超かんたんアフィリエイト』P124

こあらさんの場合、そこまでアクセス数を追求しない手法をお持ちのようです。ただし、

そうはいっても、ある程度のアクセス数がなければ稼げないのも事実です。

と結論付けています。

もっと本気であなたのビジネスを育てたり、アフィリエイトで劇的に稼ぐのならせめて月間10万PV以上のアクセス数は欲しいですね。

「月間10万PV程度ならデータ転送量は20GBもいらないのでは?」という声が挙がりそうですが、データ転送量は大きいに越したことはありません。

もしあなたの記事がYahoo!ニュースにとりあげられて、同時タイミングで1万人のアクセスがあったらどうしますか?

またコンテンツSEOに注力すると、記事が増えるごとにアクセス数も増えるため、思っている以上にアクセス数は伸びていきます。

20GB以上あれば安心してサイト運営ができます。

少しそれましたが、今はどこのレンタルサーバーも十分なデータ転送量を提供しています。

そこで、信頼できるレンタルサーバー会社の各情報をまとめました。

3.各レンタルサーバーのデータ転送量一覧

データ転送量はレンタルサーバーの公式サイトで確認できますが、あまり大っぴらにしていない会社も多いです。

レンタルサーバーを長年運営し、信頼の高い企業に絞って表にまとめました。是非、参考にしてください。

※「月額費用」は税込み価格です。(2016年6月現在)

No. 会社名 共用サーバー プラン 月額費用 転送量
1 GMOクラウド ドメインキング P ¥108 特になし
2 GMOクラウド ドメインキング S ¥324 特になし
3 GMOクラウド ドメインキング M ¥864 特になし
4 ネットオウル ミニバード - ¥270 5GB/日
5 ネットオウル ファイアバード - ¥540 10GB/日
6 ネットオウル クローバー - ¥1,620 33.3GB/日
7 GMOペパボ ロリポップ エコノミー ¥108 40GB/日
8 GMOペパボ ロリポップ ライト ¥270 60GB/日
9 GMOペパボ ロリポップ スタンダード ¥540 100GB/日
10 GMOペパボ ロリポップ エンタープライズ ¥2,160 無制限
11 GMOペパボ ヘテムル - ¥1,620 60GB/日
12 さくらインターネット さくらのレンタルサーバー ライト ¥129 40GB/日
13 さくらインターネット さくらのレンタルサーバー スタンダード ¥429 80GB/日
14 さくらインターネット さくらのレンタルサーバー プレミアム ¥1,286 120GB/日
15 さくらインターネット さくらのレンタルサーバー ビジネス ¥2,143 160GB/日
16 さくらインターネット さくらのレンタルサーバー ビジネスプロ ¥3,857 200GB/日
17 WADAX WAPPY ライト ¥450 無制限
18 WADAX WAPPY エコノミー ¥900 無制限
19 WADAX WAPPY ミドル ¥1,350 無制限
20 GMOデジロック コアサーバー CORE-MINI ¥214 3.3GB/日
21 GMOデジロック コアサーバー CORE-A ¥429 8.3GB/日
22 GMOデジロック コアサーバー CORE-B ¥849 16.7GB/日
23 GMOデジロック コアサーバー CORE-C ¥3,420 33.3GB/日
24 エックスサーバー エックスサーバー X10 ¥1,080 50GB/日
25 エックスサーバー エックスサーバー X20 ¥2,160 90GB/日
26 エックスサーバー エックスサーバー X30 ¥4,320 100GB/日
27 エックスサーバー X2 スタンダード ¥1,944 70GB/日
28 エックスサーバー X2 アドバンスド ¥4,001 90GB/日
29 エックスサーバー wpXレンタルサーバー - ¥1,080 50GB/日

 
データ転送量が20GB以上ないレンタルサーバーのプランは赤字にしました。

実はロリポップサーバーも2015年秋頃のプラン改善前は、ほとんどのプランが20GB以下でした。最近は大幅に改善して、非常に嬉しいサービスを提供します。

また「特になし」「無制限」とありますが、これはどういう意味でしょうか?次で分かりやすく解説します。

データ転送量無制限の本当の意味

そもそもレンタルサーバー会社が提供できるデータ転送量というのは限りがあります。

「ネット接続回線(バックボーン)」と呼ばれているモノがそれに当たります。

ちなみにエックスサーバーの公式サイトには、明確にバックボーンの数値が公開されています。

サーバーマシンは、電源/空調/防火システム完備の国内大手データセンターに収容し、合計約232Gbpsの高速バックボーンという快適な環境を提供しております。

引用:エックスサーバー 特長「国内管理、大容量バックボーン(高速232Gbps)」

エックスサーバーでは、バックボーンを公開しているだけあって、データ転送量の上限値をしっかり明確にしています。

そもそもですが、データ転送量の上限値を設けているのは主に共用サーバーです(よく分からない方はまず「レンタルサーバーとは?」の「3.個人向けのレンタルサーバー」をお読みください)

このサーバーは、複数の人と1台のサーバーをシェアして使っています。

もし、1つのサイトに激しいアクセスが発生するとサーバーの負荷が高くなり、最悪な場合、ダウンすることもあるでしょう。

他の利用者に迷惑がかからないように上限値を設けて、これを超えた場合はペナルティを課しているのです。

一方、「特になし」「無制限」と表記しているレンタルサーバーは、おそらくですが「転送量の課金が無し」という意味ではないでしょうか。

元々、データ転送量は課金制だった時代があった(?)ように、「いくらWebサイトやブログアクセスがあってもお金は発生してませんよ」という宣伝文句に使っているだけかと予想します。

興味のある方は『独自ドメイン取得とレンタルサーバー選びを考える』の「転送量無制限はウソ!」が分かりやすいのでお読みください。