レンタルサーバーとは?絶対に押さえるべき4つの基本
「レンタルサーバーとは?」当記事では、この質問に対して一言で簡潔に答えています。
また、この回答を含め、ここでは次の4つの流れで分かりやすく解説していきます。
- レンタルサーバーとは?
- サーバーが高性能コンピュータである理由
- 個人向けのレンタルサーバー
- 色々なサーバー用ソフトウェア
レンタルサーバーの最低限の知識を身につけることで、実際にサーバーを運用する時にある程度の操作は自分でできるようになります。
また将来、外部協力会社にサーバー運用を依頼する際、意思の疎通がうまくいかないといったトラブルが軽減されるでしょう。
専門用語は全て噛み砕いて解説しています。安心して読み進めてください。
1.レンタルサーバーとは?
レンタルサーバーとは、「有料で借りることができる高性能コンピュータ」と覚えましょう。
ちなみに「サーバー」という用語ですが、「パソコンやスマートフォンで扱うデータファイル。このデータを共有する高性能コンピュータ」という解釈でご理解ください。
下図は、インターネットを経由してサーバーにアクセスする簡単なイメージになります。
サーバーに保存されたホームページやブログ記事を複数のデバイス(パソコンやノートPC、スマートフォン、タブレットなど)で閲覧している状態です。
さて、ここで質問なのですが、なぜサーバーが「高性能」である必要があるのでしょうか?
2.サーバーが高性能コンピュータである理由
サーバーは高性能コンピュータです。そして使用用途がパソコンと全く違います。
パソコンの場合、一般的にはインターネットを使って調べ物をしたり、ネットショッピングでお買い物をしたり、動画を視聴したりなどの用途が多いかと思います。会社員の方はメールのやり取りも多いでしょうか。
その程度の利用ならパソコンの性能はそんなに高い必要はありません。
一方、サーバーの主な目的は、複数の人とデータファイルを共有することです。
「複数の人」とは、パソコンやスマートフォン利用者のことで、それこそサーバー環境によって数人〜数万人と幅があります。
また「データファイル」とは、主にテキストや画像、動画、プログラムなどのファイルを指します。
例えば、あなたのブログ記事がYahoo!ニュースのトップに取り上げられたとします。
そして1万人のパソコン・スマホ利用者があなたの記事に同じタイミングでアクセスしてきたらどうなるでしょう?
一般的な性能のパソコンなら全く処理できないでしょう。
でもサーバーは高性能コンピュータであり、大量のアクセスにも耐えられるように設計されています。
Webページを表示する処理速度も、大量のアクセスを可能にするメモリの許容量も、パソコンとは比べものにならないほど、すごく優秀です。
さて、この高性能コンピュータですが、高性能な分、非常に高価なコンピュータです。でも個人でも利用できる方法があります。
次では個人が利用するサーバーについて、解説します。
3.個人向けのレンタルサーバー
サーバーは非常に高価なコンピュータであり、資金のある大手企業じゃないと手が出せません。
でも、この高価なサーバーを個人でも利用可能にしたのがレンタルサーバーです。
レンタルサーバー会社は、24時間の保守管理体制、そのための運用要員、データのバックアップ機能、またサーバー用ソフト(後述)の構築なども含めたサービスを提供しています。
このレンタルサーバーには、下表の通り主に4つのタイプに分けることができます。
種類 | 料金 | イメージ | 特長 |
共用サーバー | 安い | シェアハウス | 安価だが制限が多い |
専用サーバー | 高価 | 一軒家 | 限られたサーバー性能の範囲内で好きなようにできる |
VPS | ピンキリ | 分譲マンション | 安価だが技術力が必要 |
クラウド | ピンキリ | 雲の家(自由度高) | サーバー性能を好きなように設定可能。技術力が必要 |
※ 参考元:今さら聞けないレンタルサーバーのサービス種類を分かりやすく解説しました
先に結論を申しますと、個人の方が利用するのに最適なサーバーは「共用サーバー」です。
特に本気でビジネスを広げるためにブログを運用したい、またブログで稼ぎたい方は共用レンタルサーバーで全く問題ありません。
サーバーの技術的な勉強をするより、1つでも多くの良質な記事作成に注力すべきです(詳しくは「個人向けレンタルサーバーの選び方5つのポイント」に書いてます)。
▲サーバールームのイメージ(引用:Gigazine「SF映画「トランセンデンス」特報」)
共用サーバーは「シェアハウス」のイメージです。1台のサーバーを大勢でシェアしているので月額数百円〜という格安な値段が実現しました。
その他に専用サーバーが「一軒家」、VPSが「分譲マンション」、クラウドが「雲の家」というイメージ。
VPSとは、"Virtual Private Server(仮想専用サーバー)"の略です。
1台のサーバーの中に複数台のサーバーを仮想的に構築する技術です。一番のメリットは、低価格で専用サーバーに匹敵するサーバーが利用できること(厳密には一部機能に制限あり)。
と、簡単に説明しましたが、共用サーバー以外を利用するには技術者レベルの知識が必要です。
なので個人の方は「共用サーバーがベストなサーバー」とだけ覚えておけば間違いないでしょう。
ちなみに、ここまでは混乱を防ぐために レンタルサーバー = Webサーバー という認識で解説しました。
Webサーバーとは、サーバー内に構築されたソフトウェアのことで、ホームページやブログの閲覧を可能にします。
実際にサーバーと言っても様々な種類のソフトウェアによって構築されています。
4.色々なサーバー用ソフトウェア
サーバーには、サーバー用に様々なソフトウェアが用意されています。
これはレンタルサーバー側で構築する部分なので詳しく知る必要はありません。
ただ基礎知識があると、例えばファイル転送サーバーにアクセスするアプリの設定をする時、またPCでメールアプリの設定など、混乱せずに操作ができるでしょう。
この後、"Protocol(プロトコル)"という用語が出てきますが、ここでは「通信ルール」と解釈してください。
つまりインターネット上では必ずこの通信ルールが存在し、このルールのおかげで言語の違いやデバイスが異なっても、データファイルの受け渡しや、プログラムが上手く機能するのです。
主にレンタルサーバー管理者が覚えておくべき、次の3つのソフトウェアについて解説します。
- Webサーバー:
サーバー上の情報が閲覧される時、テキストや画像ファイルなどを表示する - ファイル転送サーバー:
サーバー上にテキストや画像、プログラムなどのデータファイルを保存、またはダウンロードを可能にする - メールサーバー:
送受信されるメールの文章や添付データを転送したり、サーバー上に保存する
もう少しイメージしやすいように分かりやすく説明しましょう。
Webサーバー
Webサーバーは、私たちがインターネットでWebページやブログ記事などの情報を読むのに活躍してます。
Webサーバー上のデータファイル(テキストや画像など)の元は単なる英数字の羅列なのですが、これを人間が認識できる言語や画像に変換・表示してくれます。
さらにこのWebサーバーの表示結果を閲覧するには専用のアプリ = Webブラウザ が必要です。
ただ心配しなくて、どのデバイスにも対応するWebブラウザが無料で提供されています。
有名なブラウザでパソコンなら「Internet Explorer」や「Google Chrome」、「Firefox」など。スマートフォンならiPhoneの「Safari」、Androidの「Chrome」などです。
ファイル転送サーバー
次にファイル転送サーバーは、一般的に「FTPサーバー」と呼ばれているそソフトウェアです。
FTP とは"File Transfer Protocol"の略で「ファイル転送プロトコル」の意味です。
Webサーバーで表示させたいテキストや画像、動画などのファイルは、このFTPサーバーに接続してアップロードします。
ホームページやブログなどのバックアップを取っておきたい場合、逆にデータ全体のダウンロードを行います。
つまり、サーバー上にデータをアップロードしたり、データのダウンロードを可能にするソフトです。
ちなみに、FTPサーバーに接続するにはFTP用アプリが必要です。
メールサーバー
メールサーバーは実際に、受信用メールサーバーの「POP」と送信用メールサーバー「SMTP」の2つから構成され、Eメールの送受信を可能にします。
POPは、"Post Office Protocol(メール受信用プロトコル)"の略で、メールサーバーに到着したメールを受信する通信ルールです。
一方、SMTPは、"Simple Mail Transfer Protocol(簡易メール転送プロトコル)"の略で、メールを送信する時の通信ルールです。
そして、私たちがPCやスマートフォン上でEメールの送受信をするにはアプリが必要です。
Windows利用者なら「Micrsoft Outlook」がお馴染みではないでしょうか。
拡張ツールもあって使いやすい無料のメールアプリ「Mozilla Thunderbird」も人気があります。