鯖メシ

サーバー素人がレンタルサーバーの無料お試しを使った感想を記録しています

エックスサーバーvsさくらサーバーの比較結果、4つの重要点

エックスサーバー と さくらのレンタルサーバ の違いって何でしょうか?

今はどの共用サーバーも十分なサービスを提供しているので、レンタルサーバーを選ぶ時に何を基準にすべきか悩みますね。

最初に結論を言いますと、Webに自信は無いが、数十万アクセスのビジネス向けブログを考えている方は エックスサーバー がお勧めです。

ここでは主に「WordPressでブログを構築する」内容を前提に、両サーバーを比較したメリットやデメリット、負荷テストの結果などについてお話ししていきます。

初心者の方が読んでも分かるように、専門用語は極力説明を入れました。

f:id:okinawapunk:20160525095916j:plain

補足1:各サーバーのプランについて
今回の比較では、各サーバーの人気の高いプランを対象としました。
  • エックスサーバー:プランX10(1年契約の場合、月額1,080円)
  • さくらのレンタルサーバ:スタンダードプラン(1年契約の場合、月額429円)
補足2:検証を実施した時期について
当記事における共用レンタルサーバーを使った比較検証は、2016年5月に実施したものです。

特にWebに自信の無い初心者の方にとって、エックスサーバーの方がお勧めな理由は次の通りです。

  • 初心者でも迷わない程、ブログ構築が簡単である
  • ブログサイトの表示が速く、安定している
  • サイト表示が真っ白になる、などの不具合の可能性が低い
  • 最新バージョンのソフトを提供している

でも、レンタルサーバーの運用やWordPressを構築した経験はある。でも、アクセス数はあまり考えていない方は、月額数百円のプランを用意している さくらのレンタルサーバが良いでしょう。

1.ブログ構築が簡単

ブログ構築が簡単であることは、記事を書くことに注力できる、という大きなメリットがあります。

1−1.WordPressのインストールが簡単

今ではどこの共用レンタルサーバーにもWordPressが簡単にインストールする機能があります。

この機能をここでは便宜的に「自動インストール機能」と呼びます。

さて、エックスサーバーでWordPressの自動インストール機能を使うと簡単に構築が完了して、すぐに管理ログイン画面が表示されます。

一方、さくらレンタルサーバーの場合、最初にデータベースを手動で新規作成しないと自動インストール機能が利用できません。

※ データベースとは、簡単に説明するとブログの記事やコメントが収納されるシステムのこと

1−2.ドメイン直下にインストールが可能

エックスサーバーの自動インストール機能では、ドメイン直下にWordPressをインストールすることができます。

ドメインとは、ホームページの住所のようなモノで例えると「http: //●●●.net/」のことです。

しかし、さくらのレンタルサーバーはこれができません。必ず「http: //●●●.net/wp/」の赤文字部分のように、名称をつけなければなりません。

初心者の方がどうしても「http: //●●●.net/」でブログトップページを表示させたい、と色々いじって「表示画面が真っ白になった!」ということがあります。

実際に今の現場でこの状況になり、パニックなった方からのご相談を受けたことがあります(それも一度ではありません)。

2.ブログサイトの表示が高速

「JMeter」というツールを使って、エックスサーバーと さくらレンタルサーバーの負荷テストを行いました。その結果が次の表となります。

負荷テスト結果:平均応答時間の比較

同時アクセス数 8
リクエスト合計 800
平均応答時間(ミリ秒) エックスサーバー(プランX10) 129
さくらのレンタルサーバ(スタンダード) 1567

負荷テスト結果:リクエスト処理数の比較

同時アクセス数 8
リクエスト合計 800
1秒間のリクエスト処理数 エックスサーバー(プランX10) 33.4
さくらのレンタルサーバ(スタンダード) 4.8


「同時アクセス数」は、1人→2人→4人→8人と倍々に増やしていきました。各同時アクセスの結果はこのあとに掲載する表より閲覧できます。

また「リクエスト数」は、一般的にサーバー上にあるデータファイル(画像やHTML、CSSなど)の総数を指します。

今回は、負荷テストツールがサーバーにアクセスして意図的に要求するファイル数のこととご理解ください。

テスト結果から読み取れることは、8人同時アクセスの場合、エックスサーバーの平均応答時間の方が さくらレンタルサーバーのおよそ 1/10 程のスピードで速いこと。

さらに、エックスサーバーのリクエスト処理数が さくらレンタルサーバーの6.9倍以上となりました。

エックスサーバーの方が同時アクセスに強いことがわかります。

※補足:負荷テスト環境について
各サーバーに WordPress をインストールして次の通り同じサイト環境を構築。そして特定の1ページを対象に負荷テストを行いました。

  • WordPress 4.5.2(テーマはTwenty Sixteen。2000文字程×5記事を公開)
  • WordPressの「設定」などの項目は基本的にデフォルト
  • 同じインターネット環境(Wi-Fi)
  • 時間帯はお昼時を外して、15:00頃に次々とテストを行った

f:id:okinawapunk:20160407224426j:plain

同時アクセス数を増やしていったテストの詳細結果は次の表からご覧いただけます。

テスト結果 詳細:エックスサーバー(プランX10)

同時アクセス数 リクエスト数 リクエスト合計 平均応答時間(ミリ秒) 1秒間のリクエスト処理数
1 100 100 92 10.8
2 100 200 118 14.7
4 100 400 121 21.3
8 100 800 129 33.4


エックスサーバーの方は平均応答時間に大きな乱れがないため、安定しているようにも感じました。

テスト結果 詳細:さくらのレンタルサーバ(スタンダードプラン)

同時アクセス数 リクエスト数 リクエスト合計 平均応答時間(ミリ秒) 1秒間のリクエスト処理数
1 100 100 633 1.6
2 100 200 678 2.9
4 100 400 861 4.5
8 100 800 1567 4.8


正直「ここまで違うのか!?」と私自身のテストに疑いを持ちました。

そこで、さくらレンタルサーバーの負荷テストだけ何回もトライしたのですが、ほぼ上記の数値と大きく変わることはありませんでした。

可能であれば、プロのエンジニアの方にテストしていただきたいですw

3.不具合の可能性が低い

先に「1−2.ドメイン直下にインストールが可能」 で紹介した通り、さくらレンタルサーバーのように自動インストール機能でドメイン直下にWordPressを入れられないサーバーは注意が必要です。

もしWordPressを「http: //●●●.net/wp/」直下にインストールしたにもかかわらず、「http: //●●●.net/」でブログトップページを表示させたいとします。

すると、WordPressの設定画面をいじってサイトが真っ白になる、という不具合を起こす可能性があります(実際に私も経験済みです)。

また過去に さくらレンタルサーバーの環境で、WordPressのあるプラグイン※を導入すると、突然サーバーエラーが表示され、サイトに何も表示されなくなるという現象が起こりました。

実際の原因はプラグインがドメイン直下のシステムファイルを勝手に書き換えたことでしたが、WordPressをドメイン直下にインストールしていないことが主な要因でした。

このため、その他のプラグインやテーマの不具合の可能性も考えられることから、やはりWordPressはドメイン直下にインストールできる環境が望ましいと考えます。

※「W3 Total Cache」というプラグインで、サイト表示の高速化に貢献します。この不具合は2016年5月現在、解消されています。

4.ソフトの最新バージョンが用意されている

細かい点となりますが、エックスサーバーの方が、さくらサーバーよりも最新ソフトの提供が早い傾向にあります。

下図をご覧ください。

こちらはエックスサーバーの管理画面で、WordPressのバージョン情報が「4.5」となっています。

f:id:okinawapunk:20160518120848p:plain

一方、さくらレンタルサーバーはバージョン情報が「4.4.1」とちょっとだけ古いバージョンのソフトが提供されています。

f:id:okinawapunk:20160518120846p:plain

インストール後、単に最新バージョンをアップグレードするだけで良いのですが、初心者の方にはこの時点で「え、これって何?」と作業が止まってしまう可能性があります。

その他のレンタルサーバーの比較結果

その他のレンタルサーバーの比較検証の結果はこちらよりご確認いただけます。

また、当サイトで実際に使用し、検証テストを行った結果はこちらで解説しています。

色々とご覧いただいて、あなたにとって最高に満足できるレンタルサーバーにたどり着くことを願っています。

あとがき

当記事では、初心者にとってビジネスブログを運営するならエックスサーバーの方が良いと伝えました。

ただ、さくらのレンタルサーバの名誉のためにも補足しますと、月間40万アクセスでも十分に稼働することが下記の三十路男さんの記事から読み取れます。

正直、驚きました。まさかサーバーをダウンさせてしまうほどの一時的なアクセス集中とはいったい??

そして、この記事の中に次の一文がありました。

過去に記事を書いた通り、個人ブログ程度ならさくらサーバーで十分だと思っています。

エックスサーバーもさくらレンタルサーバーも料金やサービスなど、総合的に見ていくと両方とも甲乙つけがたい素晴らしいサーバーです。

ご自身の用途や計画に合わせて、ベストと思われるレンタルサーバーを選ぶということが大事かもしれませんね。