書籍『ブログ飯』を勝手にSEO視点で酷く斬ってしまった件
12年間勤めた会社を辞めて、ブログ1本で人生を切り開いた染谷 昌利さんの著書『ブログ飯』が出版されたのは2013年6月。
それから数年後、学生や20代の社会人がモンスター並みのアクセス数と報酬を稼いでいる様子を目の当たりにするようになりました。
もしかするとこの『ブログ飯』にヒントがあるのでは?と(勝手に思い込み、)手に取りました。
そして私の大好きなSEOを視点に読後の感想をつづってみました。SEO対策に興味のある方は是非、一読ください。
1.SEO視点で斬ってみた3点
『ブログ飯』を読んでSEOに関して触れている箇所があったので、ツッコミを入れてみました。主に次の3点です。
- 個性的で面白いブログは必要?
- 3ヶ月100記事書く必要はあるのか?
- SEOは気にしなくていい?
ここでの解説は、私の考えが多分に含まれた見解となっています。ご了承ください。
1−1.個性的で面白いブログは必要?
染谷さんはブログを運営するには「人と違う」個性が必要だと述べています。
インターネットの世界では「人と違う」「他と違う」ことは大きな価値を生み出します。
引用:染谷 昌利著『ブログ飯』P94-95(以下同じ)
他人との違いを恐れずに、むしろ他人との差こそが価値になるということを認識し、あなた独自の見解を交えた記事を書いていきましょう。
人と同じことをするということは、特にインターネット上では無価値です。
この考えの行き着く先は「面白いブログ」の運営を目指している人へのアドバイスだと感じました。
劇的なアクセスや収益を得るブログに個性は必要ない、というのが私の考えです。
実際、SEO対策において、必ず取り組むべきは“ニーズのあるキーワード”を選定すること。
そしてこのキーワードで検索してくる人の悩み・問題を解決する最高な記事を書くことです。
ここで、あえて差別化するとしたら、どこまで検索ユーザーのことを本気で考えて記事を書いているかです。(詳しくは「6ヶ月で検索結果1位を目指すSEOキーワード術」参照)
ちなみに染谷さんが初めて大きく収益を上げるのに成功したのは、Androidスマートフォンに関するブログでした。
これは当時、Androidのスマホが出たばかりで、ネット上にも情報が少なく、染谷さんのブログが困っている人たちを助けたから大きくアクセスや収益を上げたのだと推測します。
1−2.3ヶ月100記事書く必要はあるのか?
おそらくブログを三日坊主で終わらせない意図もあるかと思いますが、染谷さんは3ヶ月で100記事書くことを勧めています。
100本ノックの気持ちで、毎日1記事ずつ3ヶ月更新し続けましょう。これで約100記事です。
引用:染谷 昌利著『ブログ飯』P79
理由として、アクセスや収益の増加、記事作成スピードの向上、ネタ探しに困らない、などの何かしら得るものがある、ということです。
確かにどれも欠かせないものばかりです。
ただ私の場合、「6ヶ月100記事」を目標に良質な記事作成を推奨しています。これもSEO対策のためです。
Googleは良質な記事やサイトを評価する
Googleは良質な記事やサイトについて、次のような見解を公表しています。
サイトに対する Google の品質評価アルゴリズムは、低品質なコンテンツのランキングを下げることによって、良質なサイトをユーザーが見つけやすくします。
引用:Googleウェブマスター向け公式ブログ 「良質なサイトを作るためのアドバイス」
簡単に言いますと、質の悪い記事やサイトはランキング(=検索結果の順位)を下げて、良質な記事だけを検索ユーザーに見つけやすくしますよ、というものです。
私は、良質な記事を判別する1つの基準として「記事にかけた時間」だと考えます。
これは現職で成果を出しているクライアント様のサイトや、試験的に始めた月間8.5万PVのブログ運用で確信したことです。
私の場合、1記事におよそ4時間はかけます。内訳は次の通りです。
- 情報調査:2時間
- 記事作成:1時間
- 校正・校閲・再構成:1時間
こちらはあくまで参考までに。内容によっては2時間で完了するモノや、3日かける記事もあります。
「再構成」は、記事を何度も読み直して「こっちの方が読者に伝わりやすい構成だ」と思ったら、段落の並びを大きく変更して再調整をかけたりします。
一番簡単な方法は、第3者に読んでもらうこと。見違えるように読みやすくなります。
また、Googleは品質の悪い記事がサイトやブログ全体に悪影響を及ぼすことも言及しています。
なお、低品質なコンテンツがサイトの一部にしか存在しない場合でも、サイト全体の掲載順位に影響を与えることがあるということにご注意ください。
急いで記事を書くのではなく、1記事ごと丁寧にしっかり書くことが重要です。
さらに詳しく知りたい方は「プロブロガーじゃない私が明かす3つのコツ」が参考になるでしょう。
1−3.SEOは気にしなくていい?
SEOに力を入れている時間があったら、1つでも多くの有益な記事を書いた方がアクセスアップにつながります。
引用:染谷 昌利著『ブログ飯』P98
これは大賛成です。これが本質です、素晴らしい!
厳密には、先に紹介したニーズのあるキーワードを選定し、検索ユーザーのことを深掘りして、記事を書くことに専念する。
これだけで自然とSEO対策になっています。被リンクなどの自作自演などまったく必要ありません(むしろGoogleにスパム扱いされるリスクを負います)。
本当にためになる良質な記事は、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでも自然と拡散されます。
そして数ヶ月経つと検索結果の上位に表示される、ということはよくあります。
注力すべきは「最高な記事の作成」です。あとは特に何も考えなくてOKです。
この他にSEOではありませんが、ブログを運営する上でとても参考になるポイントがあったのでご紹介します。
2.染谷氏式『ブログ飯』の重要なポイント
染谷氏著『ブログ飯』は、2013年6月に出版されたもので、少し古い内容となっています。
でも劇的なアクセス増加の本質的な部分に触れているのでご紹介します。
ブログ運営で最も重要なポイント
- ①テーマを決める:
最低30記事書けるようなテーマ- ②目的を持つ:
勤めながら副収入を得る、人気ブロガーになる引用:染谷 昌利著『ブログ飯』P56
テーマを決めることで、アクセス向上に繋がるキーワード対策を自然と満たしています。素晴らしいと思います。
また目的を持つことで「覚悟」が明確になって、ブログ運用が継続できると言っています。
続いてブログを運用する上での考え方です。
ブログ運営の考え方
- ①なぜそのブログをあなたが始める必要があるのか
- ②誰にあなたのメッセージを伝えたいのか
- ③どのような表現手法であなたのメッセージを分かりやすく伝えるのか
引用:染谷 昌利著『ブログ飯』P62
①の「必要性」をもってブログ更新を続けると、自然と個性が出てくる。その個性を受け入れた読者がファンになる、というもの。
②はブログのターゲット層の明確化。
具体的な理由は見当たらなかったのですが、おそらく読者にとってブレのない、全体的にまとまりのある記事を提供するためでしょうか。
③「表現手法」とは文章に限らず、画像や動画なども検討する。そして読み手の立場になってどう表現した方が、自分の言いたいことが伝わるかを考える。
これにより、「読者に優しいブログができる」というのです。おそらく「読者に伝わりやすいブログ」という意味でしょうか。
あとは分かりやすい文章を書く方法や1ヶ月はアクセス数を見ない、などのブログ運用を継続するための染谷さんのテクニック論が続きます。
補足:レンタルサーバーの機能でどれが大事か?
当サイトはサーバーに関するブログです。せっかくなので、こちらについても触れましょう。
染谷さんが収益の増大化はアクセス数だけではない、と述べている箇所です。
その中にレンタルサーバーの機能に触れており、ディスクサイズ・マルチドメイン数・データベース数など数ある中でどれを見るべきか?
染谷さんは次のように答えています。
それよりも重要なのは転送量です。
引用:染谷 昌利著『ブログ飯』P224
こちら、ごもっともです。(上からですが「分かってるなぁ」と感じました)
レンタルサーバー選びで重要なのは、サーバーの性能とデータ転送量、そして管理画面の使いやすさです。
染谷さんはその重要な1つを指摘しているのですね。
ちなみに、外部の画像共有サービス(Googleフォト、Flickr)の利用を紹介していましたが、それだとWebページ表示にタイムラグが生じます。
最近は安価で人気のロリポップも十分なデータ転送量を用意しています。
よっぽどアクセスが多くて気になるなら、ディスク容量もデータ転送量も十分なエックスサーバーをお勧めします。
あとがき
染谷さん、かなりの苦労人です。
本を読んで一番共感した箇所が、妻子がいながら退職金で食いつぶしていよいよ残り50万円になった、というストーリーでした。なぜか人ごとじゃない気持ちでした。
それでも独学で独自の「ブログ飯」論を確立し、そしてブログ運営だけではなく講演や企業などのコンサルまでこなしています。
ブログで成功して、それにあぐらをかかずに社会貢献する。見習うべき素敵な姿勢です。