初心者がレンタルサーバーを使う前に知っておくべき4つのこと
Webサイトでビジネスを始めたい、ブログで給与以上を稼ぎたい、という方にとって立ちはだかるのがレンタルサーバーのこと。
ここでは、レンタルサーバー初心者のために、最初に知っておくべき重要なポイントを次の内容で解説していきます。
- 個人向けには共用レンタルサーバー
- 本当に独自ドメインが必要な2つの理由
- 一部の格安サーバーではWordPressが使用できない
- データ転送量は必ずチェックする
これらを知ることで将来的にも安心してサイト運用をすることができます。
専門用語には必ず補足説明をしています。どなたが読んでも分かりやすく解説しています。怖がらなくて大丈夫ですよ(笑)
1.個人向けには共用レンタルサーバー
レンタルサーバーと言っても実はいくつもの種類があります。
この種類を主に4つのタイプに分けると次の表のようになります。
種類 | 料金 | イメージ | 特長 |
共用サーバー | 安い | シェアハウス | 安価だが制限が多い |
専用サーバー | 高価 | 一軒家 | 限られたサーバー性能の範囲内で好きなようにできる |
VPS | ピンキリ | 分譲マンション | 安価だが技術力が必要 |
クラウド | ピンキリ | 雲の家(自由度高) | サーバー性能を好きなように設定可能。技術力が必要 |
個人の方向けのサーバーは、一般的に「共用レンタルサーバー」と呼ばれるものです。
共用レンタルサーバーの大きな特長は、月額数百円〜とかなりリーズナブルな価格で提供されている所です。
企業向けのサーバーなら安くても月額数十万円はするでしょう。
ただし、上表でイメージは「シェアハウス」と例えた通り、1つの専用サーバーを複数人の利用者と共有し合っています。
シェアハウスの弊害として、例えば利用者A君のWebサイトに同時に1000人のアクセスが集中したとします。
すると、あなたのサイトの表示が遅くなったり、最悪の場合、サーバーがあまりの負荷に耐えきれずダウンしてしまうこともあるでしょう(実際には、そうなる前にそのアクセスが集中しているサイトをサーバー会社側で強制非表示にします)。
この理由から共用レンタルサーバーはどうしても制限の多いサーバーとも言えます。
さらにレンタルサーバーに興味のある方は「今さら聞けないレンタルサーバーのサービス種類を分かりやすく解説しました」が参考になります。
2.本当に独自ドメインが必要な2つの理由
ドメインとは、インターネット上の住所にあたるものです。
例えばあなたのWebサイトのアドレスが「http://●●●.com」だったとすると、ドメインは「●●●.com」の部分のことです。
そして当サイトなら「server-party.com」のように、自分が好きなように名前を決めてドメインを取得することができます。
これを独自ドメインと呼びます。
ドメインの料金ですが、年間1000円ほどで取得できます。
ちなみに独自ドメインを取得する理由として「ビジネスを行う上で信頼度が上がる」と答えた書籍がありました。間違っていないのですが本質ではないと思っています。
本当に独自ドメインが必要な理由は次の2つです。
- あなたの資産であるWebサイトを守る
- SEO効果を持続させる
まず、あなたの資産であるWebサイトを守るとは、例えば悪意あるスパムによってあなたが借りているレンタルサーバーの個人情報が流出したとします。
その時、独自ドメインさえあれば、他社のレンタルサーバーをすぐに借りて移行することができます。
実際に私の知人がブログサイトを改ざんされたことがありました。スパムの脅威は本当に恐ろしいものです。
また、SEO効果を持続させるとは、例えば劇的にアクセス数が増えたのでレンタルサーバーのお引っ越しをしたとします。
この時、独自ドメインがあればGoogleなどの検索サイトの表示結果を下げることなく、維持することができます。
これは独自ドメインがあることで、あなたの各記事ページに付いた被リンクやソーシャルメディアのボタン情報を引き継ぐことができるからです。
※ 厳密には「301リダイレクト」という設定を行うと、被リンクの引き継ぎができる。ただ無料レンタルサーバーはできない可能性が高い。
3.一部の格安サーバーではWordPressが使用できない
WordPress(ワードプレス)とは、Googleと相性が良いため劇的なアクセス数が期待できるブログソフトのことですね。
国内のブログソフトの80%以上のシェア※1を独占する程、多くのビジネスブログやブログで稼ぎたいという方に愛されている人気のソフトです。
基本的にWordPressは、どの共用レンタルサーバーでも使用できます。
そこで、レンタルサーバーでも人気の高いロリポップとさくらのレンタルサーバを表にまとめてみました。
No. | 会社名 | 共用サーバー | プラン | 月額費用 | データベース |
1 | GMOペパボ | ロリポップ | エコノミー | ¥108 | × |
2 | GMOペパボ | ロリポップ | ライト | ¥270 | 1個 |
3 | GMOペパボ | ロリポップ | スタンダード | ¥540 | 30個 |
4 | GMOペパボ | ロリポップ | エンタープライズ | ¥2,160 | 100個 |
5 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | ライト | ¥129 | × |
6 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | スタンダード | ¥429 | 20個 |
7 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | プレミアム | ¥1,286 | 50個 |
8 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | ビジネス | ¥2,143 | 100個 |
9 | さくらインターネット | さくらのレンタルサーバ | ビジネスプロ | ¥3,857 | 200個 |
※ 2016年6月現在。「月額費用」は1年間契約時の割り引き適用後の料金。また全て税込み価格。
データベースとは、ブログの記事やコメントなどが格納されるシステムのことです。
つまり、データベースがある=WordPressが使用できる、ということ。
さて、この2つのサーバーの月額100円ほどで利用できるプランがありますが、なんと、WordPress が使用できません。
「最初は安くても良い」と選んだら後悔することになります。気をつけてください。
※1.Distribution of content management systems among websites that use Japanese(2016.06)
4.データ転送量は必ずチェックする
ほとんどの初心者の方が見逃しやすいのが「データ転送量」です。
データ転送量とは、ある読者がWebページを閲覧する時、レンタルサーバーがインターネットを介してその読者のPC、またはスマートフォンに送信するデータファイルの総量のことです。
実はこのデータ転送量には上限があります。
主に当サイトで取り上げている信頼の高いレンタルサーバーを中心にまとめた下表をご覧ください。
No. | 共用サーバー | プラン | 月額費用 | データ転送量 |
1 | さくらのレンタルサーバ | スタンダード | ¥429 | 80GB/日 |
2 | さくらのレンタルサーバ | プレミアム | ¥1,286 | 120GB/日 |
3 | エックスサーバー | X10 | ¥1,080 | 50GB/日 |
4 | wpXレンタルサーバー | - | ¥1,080 | 50GB/日 |
5 | X2 | スタンダード | ¥1,944 | 70GB/日 |
6 | ロリポップ | ライト | ¥270 | 60GB/日 |
7 | ロリポップ | スタンダード | ¥540 | 100GB/日 |
8 | ヘテムル | - | ¥1,620 | 60GB/日 |
FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアで拡散されたり、Yahoo!ニュースなどでとりあげられると同時アクセスで数千もの読者が訪れてきます。
そのような状況が続き、データ転送量の上限値を超えてしまうと強制的にサイトが表示されない、という事態に陥ることがあります。
特にビジネスブログを運用したい方は、お客様を失うほどのかなりの機会損失になるでしょう。
でも安心してください。
月間アクセス数が50万のブログサイトの1日のデータ転送量が20GB程です。上表からも読み取れるように、今はどこも十分なデータ転送量を提供しています。
ただし、中には極端に少ないデータ転送量の上限値を提供する会社もあります。
やはりアクセス数にこだわるなら必ずチェックするべき項目の1つでしょう。
あとがき
「初心者の方向けにどのような情報が本当に役立つか?」だけを考えて執筆しました。
中には当サイトを運営しながら発見したことも出し惜しみなく書いたつもりです。
これからブログサイトを運営する個人のビジネスマンが増えていくと思っています。
その時にこの記事がその方々の抱えている問題の解決に役立つと本当に嬉しいですね。